レターズアルパック204号

空き家だった八幡町家の新たな一歩がはじまります
近江八幡市 空き町家活用のモデル検討

執筆者;都市・地域プランニンググループ 松下藍子

近江八幡市にある、空き町家の改修方法および利活用の検討のお手伝いをしました。

 今回検討した空き町家(旧吉田邸)は、空き家になった町家が市に寄贈されたもので、八幡町にあります。町の一部が重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、歴史的町並み及び町家の重要性が認識されている本市には、旧八幡町内の家屋1828戸に対して、空き町家は95戸存在します。
 そのような状況の中で、今回の利活用の目的は3つ。「(1)新しい活用モデルを創出し、旧市街地にある空き町家の解消を図る」、「(2)空き町家の改修を進めることで、近江八幡市の歴史的・文化的価値の継承を図る」、「(3)利活用において、近江八幡市固有の風土をベースとした「まちと学び」「新しい生業」「新しい文化」を創造し、商業・交流機能の活性化を推進する」です。
 検討の際に主な論点となったのは、まず、歴史的な建築物の伝統的な形式を継承しながら、いかに現在の使い方に合うようにするかということでした。今回は、町家の特徴である格子窓や大きな土間空間などを継承しながら、通りに面する店の間は土間にし、トイレは主屋の中に移動することで新たな利活用の方法に合わせることに落ち着きました。
 もう一つの論点は、移住相談の拠点機能、大学等との連携機能、商業・業務機能という本施設の大きな3つの機能について、その運営方法をどうするかということでした。多様な人・団体が関わることになりますが、運営主体や維持管理費の財源を、今後も検討を続けることになっています。
 改修工事は国の補助金を活用して実施され、平成29年4月22日には第一段階の工事完了と開所を記念する除幕式が催されました。また、滋賀県立大学や八幡商業高校等の協力を得て、「まちなかゼミ」が開催され、利活用の第一歩を踏み出しました。今後、どのような連携・交流・魅力を発信してくれるか、私たちも楽しみに見守りたいと思います。


空き町家内部

空き町家外観

まちなかゼミ

除幕式

レターズアルパック204号・目次

2017年8月発行

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