レターズアルパック204号

特集「涼む」
環境に負荷をかけず涼やかに暮らす
~環境共生住宅「聴竹居」の魅力と我が家(賃貸)の断熱DIY  

執筆者;地域再生デザイングループ/竹内和巳

地球温暖化が問題視されるようになって、もう何年も経ちました。私も子どものころと比べると冬の朝に凍った水溜りを見ることも減ったなあという実感を持っています。

着実に高くなる気温

 京都でも過去100年間で約2度の割合で平均気温が上昇しており、今後どんなに温暖化対策を行ったとしても、少なからず気温が上昇するとされています。そのようなとき、皆さんの住まいは快適に過ごすことができるでしょうか?今後も気温が高くなり続けることを考えると、住まいにおいて暑さを軽減し、「涼やか」に暮らす工夫が必要です。
 今回は、様々な工夫の中から、日本初の環境共生住宅といわれる聴竹居の魅力と我が家の断熱DIYについて紹介します。

環境共生住宅「聴竹居」の魅力

 2020年には新築住宅省エネ法適合が義務化される中で、全国画一的なモデルでなく、京都の気候に適応した京都らしい省エネ住宅のモデルプランを、京都市の業務において作成しています。そこで参考のため、藤井厚二が設計した、日本で初めての環境共生住宅といわれる「聴竹居」(1928年竣工、京都府大山崎町)を見学してきました。
 聴竹居には、現代でも十分通用する仕組みが導入されていますが、その一つとして、建築内の通気経路の設計があります。聴竹居には、夏の暑い時期には地中で冷やされた空気を室内に取り込める導気口(クールキューブ)があります(写真1)。そして天井には、熱い空気が屋根から抜けていく仕組みが施されています。
 また、縁側では、桔木(はねぎ)によって可能となった水平横長の窓により、外に広がる豊かな緑が美しく取り込まれています(写真2)。環境調整の役割に加えて、視覚にも涼やかな住環境が生み出されています。
 現代においては、地球温暖化問題への対策として、環境負荷軽減のために高断熱高気密の省エネ住宅が促進されています。断熱性能を高めて、快適な温熱環境で生活をすることも大事なことだと思いますが、それに加えて、周囲の環境をいかした、環境とともに生きる暮らしを考えてみることもいいかもしれません。


  写真1:導気口(クールチューブ)の様子

 写真2:縁側の様子(写真提供;竹中工務店)

我が家(賃貸)の断熱DIY

 春から住んでいる新居は、新築で大通りに面する西向き住戸にもかかわらずシングルガラスが採用されており、帰宅時に感じる暑さに限界を感じていました。そこで、窓周りの温熱環境改善のためにDIY内窓を設置することを決意しました。今回は、「中空ポリカーボネートシート」という材質を使った内窓キットを採用しました。この素材の特徴は、中空構造であり、超軽量、高強度であることに加え、同厚ガラスの約2倍の断熱効果があることです。ちなみにこのキットは、退去時に現状復帰が基本の賃貸住宅にも対応できるよう、両面テープのみで設置できるようになっています。
 写真3は内窓を設置前の様子と、設置後の様子です。2人で2時間ほど作業し、設置が完了しました。設置後、赤外線放射温度計を用いて、窓の表面温度を計測したところ、18時の時点で、外窓の表面温度は33.7度、内窓の表面温度は32.2度と、差が見られました。体感としても、設置前より暑さが和らいだと感じています。
 低コストを追求し、決していい環境とはいえないことも多い賃貸住宅でこそ、住まい手が住まいに対して積極的にアプローチし、住環境の改善を行うなど、住まいを住みこなしていく必要があるのではないでしょうか。


 写真3:内窓設置前(右上)と設置後(右下、左)の様子

レターズアルパック204号・目次

2017年8月発行

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