レターズアルパック202号

未来に繋ぐ「鉱山町に生きる誇り」

執筆者;地域再生デザイングループ 西村創

生野鉱山及び鉱山町の文化的景観整備計画策定のお手伝いをしています。

 兵庫県朝来市の生野地域は、平成26年3月に、「生野鉱山及び鉱山町の文化的景観は、鉱山開発及びそれに伴う都市発展によって形成された文化的景観であり、現役の鉱業都市として生産活動及び祭等の習俗を継続しつつ、鉱業都市に独特の土地利用の在り方を示している」として、国の重要文化的景観に選定されています。
 文化的景観の維持には、時代の影響を受けつつも、生業の継続によって基本的な価値が受け継がれることが必要です。しかし生野の場合、生業である鉱山採掘が終了しているため、生業によって景観が維持される状況にはなく、生活様式が時代によって変化する中で、将来的に、鉱山町の景観が地域住民の生活と遊離する可能性が危惧されています。
 一方で、景観を維持するにはその地域での営みが継続される必要があり、生野地域の住民の多くは、「鉱山とともに育まれた町」の認識と培われた鉱山文化を受け継ぎながら生野に住み続ける意志を持っています。これは、長きにわたって地域で積み重ねてきたまちづくり事業でも強く示されており、「鉱山町に生きる誇り」を未来に繋ぐ意識を持たれています。


 

 

 今回の生野鉱山及び鉱山町の文化的景観整備計画では、文化的景観を維持していくための方針や方法を具体化し、景観を構成する鉱山町や鉱山文化を象徴する要素を守るとともに、生野に住み続け、鉱山文化と誇り、地域での営みを次世代へ継承していくための具体的な行動を明らかにしています。2017年春に公表予定ですので、是非一度、一読いただき、実際に足を運んでいただければと思います。
※本業務は建築プランニング・デザイングループの高坂憲治もお手伝いしています。


 

 

レターズアルパック202号・目次

2017年3月1日発行

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