レターズアルパック202号

特集「願い」
復興への願いを込めて「強さとしなやかさ」を備えた地域づくりを目指して

 近年、グループが取り組んでいる特徴的なプロジェクトの一部を紹介します。
執筆者;副社長兼大阪事務所長/中塚一

 平成23年9月の台風12号の大雨による紀伊半島大水害、平成28年4月の最大震度7が2回発生した熊本地震。度重なる大災害による被災者及び関係者の方々の深い悲しみは癒やすことはできません。地元の人々の復興に向けた様々な願いを込めた、地域づくりをお手伝いしています。

1億立方メートルの土石流が発生した紀伊半島大水害からの復興

 「深層崩壊」という言葉が連日メディアで報道された紀伊半島大水害。国内の観測記録最大という大雨により大規模な斜面崩壊が多数発生し、崩壊土砂が河川をせき止める「河道閉塞」が生じました。その結果多くの道路や橋梁が閉鎖され、山間部に多数の孤立集落が発生し、新たな集落づくりが求められました。
 住宅や暮らしに関する復旧復興については、木造を含む応急仮設住宅の建設、安全な集落での風景に配慮した木造復興公営住宅の建設、小規模住宅地区改良事業やみんなで話し合い活動するソーシャルなソフト施策を活用した集落再生等が、地域の方々と様々な専門家、行政職員、設計者、大学、NPO、コンサルタント等の協力・連携のもと実施されました。
 特に、十津川村における地域の資源である森林の活用や役場内の部局間の壁を越えた委員会の開催と事業の実施。同村の谷瀬集落における自主自立の精神に基づくやりがい・生きがいが得られる新たな集落づくりへの協働活動や修復型のハード整備等は、山間部の豊かな暮らしを継承・発展していく今後のモデルになる取組として、我々の事務所メンバーも多くの学びがありました。


谷瀬地区のゆっくり散歩道と新たな展望台の整備 

 谷瀬地区の風景に馴染む木造の復興公営住宅

連鎖して2つの断層が動いた熊本地震からの復興

 熊本地震は2つの「断層」による連鎖型地震であり、既成市街地から中山間部の集落まで、最多避難者約184千人という甚大な被害を及ぼしました。人的被害、住宅被害、社会基盤施設(道路や橋梁等)被害、土砂災害に加え、田畑等の農業基盤への被害や宅地や擁壁等への被害をどのように復旧していくのかが大きな課題となっています。
 現在、震災から約11ヶ月が経過し、各地で地域住民による勉強会や協議会が立ち上がってきた段階です。復旧復興をお手伝いしている東部の中山間の集落では、今後、住まいの復興から集落の復興、地域産業の復興へと総合的な暮らしの復興を支援したいと考えております。


南阿蘇村黒川地区

レターズアルパック202号・目次

2017年3月1日発行

特集「願い」

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