アルパックニュースレター188号

人情あふれる愛すべきまち・東京都葛飾区~寅さん、キャプテン翼、亀有の両さんが見守る下町

執筆者;都市・地域プランニンググループ 清水紀行


 

 「私、生まれも育ちも葛飾柴又。帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎。人呼んでフーテンの寅と発します。」
 誰もが一度は耳にしたことがある、「男はつらいよ」の寅さんの有名な口上です。
 映画のロケ地としては江戸川の河川敷や帝釈天くらいのようですが、帝釈天の門前商店街は映画で醸し出される趣を今も感じさせてくれます。
 現在、柴又地域は東京で初となる重要文化的景観の指定を目指して調査・検討が進められています。調査報告によると、「江戸の経済圏に含まれながら一定の距離を保ち、旧東海道と江戸川という東北へ向かう水陸の要衝であった点、“帝釈天”の名で親しまれている題経寺が歴史上、何度も伽藍配置を変えてきた点、参道の店舗建築が独特である点」などがその理由として挙げられています。
 一方、葛飾区には他にも有名な人物・キャラクターがいます。ひとりは、亀有の両さん(正確には「こちら葛飾区亀有公園前派出所」というタイトルで主人公は両津勘吉)です。SMAPの香取さんが演じたキャラクターで覚えている方も多いのではないでしょうか。
 亀有の商店街をはじめあちらこちらに銅像があり、「両さん銅像めぐりマップ」を片手に散策している方も見うけられます。
 もうひとりは、キャプテン翼(主人公:大空翼)です。サッカーワールドカップ出場が夢のまた夢であった時代に全国のサッカー少年に大きく影響を与えました。その影響は国内にとどまらず、かのデル・ピエロ(元伊代表)をはじめ影響を受けた選手を数え上げれば枚挙に暇がありません。
 四つ木と立石の商店街には人気キャラクターの銅像が7体建立されています。ちなみにキャプテン翼自体は架空の静岡県南葛市が舞台なのですが、原作者である高橋陽一氏が葛飾区四つ木出身で、母校が南葛飾高等学校(通称、南葛高)であったことから同作品の架空の地名のモデルとして採用されたそうです。
 葛飾は人情あふれる愛すべきまち。我々は潜在的にそういう印象が抱いていますが、そのイメージが多くの人に愛され、なじみのある映画や漫画のキャラクターを生み出しているのでしょう。
 柴又の門前商店街で草団子を食しながら、「もう一度、“男はつらいよ”を見てみようかな」と思った次第です。


下町ロマンあふれる街なみ
「柴又帝釈天門前参道商店街」

柴又帝釈天