アルパックニュースレター188号

商店街のお店と子育て層のつながりづくり~東大阪市・若江岩田~

執筆者;地域産業イノベーショングループ 高田剛司

 東大阪市内には5つの鉄道路線があり、そのうち、近鉄奈良線と近鉄大阪線、JR学研都市線の3路線は、ほぼ各駅で商業集積があります。今回ご紹介するのは、東大阪市の中央、「若江岩田駅周辺」における商店主の皆さんの新しい取り組みです。
 若江岩田エリアには、南北に5つの商店街・商店会の単会組織がありますが、全国の多くの商店街と同様に、個店の減少、商店主の高齢化、それに伴う商店街活動の停滞など様々な課題が出てきています。そのため、これまでのような単会組織での活動から連合体へとエリアを広げ、協力・連携していくことが求められています。
 そのような中、今年7月に若手商店主有志によって、『きらり筋プロジェクト』が立ち上がりました。これは、商店街連合会の理解のもと、これまでの組織体制や活動の枠にとらわれず、自由な発想で商店街と地域の活性化に向けた行動を興すためのプロジェクトで、5つの商店主が発起人となっています。


きらり筋えがお塾の様子

きらり筋プロジェクトの卓上のぼり

 物理的には、今年9月、近鉄奈良線の高架化により、これまで線路で分断されていた南北の商店街がつながりました。同じ月に、駅北側の再開発ビル内にある子育て支援施設「きらりっこ」で、商店主の“暮らしに役立つ”知識を子育て世代に紹介するセミナー「きらり筋えがお塾」をスタートしました。これは、昨年度、東大阪市のモニター調査員の提案から生まれたプロジェクトです。モニターさんには今年度もサポーターとして関わってもらい、住民や消費者の立場から、商店街のイベントやえがお塾の企画等に関する意見を頂いています。きらりっこでは毎月1回えがお塾を実施し、参加者からは非常に高い評価を得ています。また、10月に商店街が主催したハロウィンイベントにおいて、今度は、指定管理者であるNPO法人きらりっこが地域に出て、人形劇の催しが行われました。このように短期間のうちに、子育て支援団体と商店街の協力関係が生まれてきています。毎月行われている会議の中では、えがお塾以外にも、地域住民の皆さんに、商店街を身近に感じてもらうための様々なアイデアが生まれており、これからの活動の広がりが楽しみです。
 若江岩田エリアは、高齢化が進んでいるとはいうものの、多くの20~40代の若い世代の住民も商店街のある通り(筋)を通行しています。今回のように、商店主の専門知識や商品・サービスへのこだわりに住民が直接触れることで、商店街のお店に興味を持ち、また商店主とも知り合いになって、最終的にはお店に買い物に来て、住民も商店も元気なまちになることを願っています。


東大阪市の商業集積エリア図