アルパックニュースレター180号

景観を通じたにぎわいづくり社会実験を行いました

執筆者;公共マネジメントグループ/橋本晋輔

 明石市では中心市街地活性化の一環として、にぎわいの景観づくりに向けた取り組みが進められています。今年の3月にその取り組みの一つとして社会実験を実施しましたので、ご報告します。

商店街のつながりを「見える化」する社会実験を実施

 明石市の中心市街地には全国的に有名な魚の棚商店街があり、今でも休日を中心に賑わいを見せています。その一方で、淡路島と明石を結ぶフェリーの廃止など周辺環境の変化もあり、魚の棚商店街以外の商店街にはその賑わいが広がっておらず、それぞれの商店街の魅力の創出とそれによる回遊性の向上が中心市街地の課題となっています。
 このような状況の中、どのようにして中心市街地全体の活性化を図っていくのかについてを商業者の方同士で議論する場として、昨年の11月12月に「明石まちなかにぎわいワークショップ」を開催しました。ワークショップでは、それぞれの商店街の個性を出すために各商店街で「商店街のイメージを共有する」ことの必要性などの意見が出されました。そのイメージを共有する第一歩として、まずはつながりを見える化することによって各商店主に「一つの商店街」ということを実感してもらえるよう、社会実験をしてみようということになりました。


まち灯りと布かざりで商店街を演出

一つの商店街ということを再認識

 社会実験は、中心市街地の一番南側にあり、中心市街地の回遊性を向上する上で要になる本町商店街において、初めて来た方でも実感していただけるように、見た目、景観面での工夫をしました。具体的には、桜色の布をアーケードの下に連続してつりさげアーケードが一つの道に見えるようにしてみたり、商店街の歩道上にろうそく(風のLEDライト)を並べてみたり。より多くの方に見て頂けるように、毎年中心市街地で行われているイベント「春旬祭」に合わせて行いました。
 当日は、来街者の方から「今回の社会実験で初めて本町通りというのを意識した」という声や、商店主から「社会実験によって商店街として連続性・一体感が感じられた」という声があった他、商店街として取組をしているのであれば協力しようと、自主的にお店の前に独自に灯りを設置してくれたお店もあり、一つの商店街ということを本町商店街の商店主の方に改めて確認していただくいい機会になったと思います。


アーケードを布かざりで演出

社会実験を通じて商店街の方向性を共有していこう

 また、社会実験後の本町商店街の商店主を対象にしたアンケート調査では「このような演出をするのであれば、商店街の方向性、どのような商店街にしていきたいかをまず議論をすることが必要ではないか」と、商店街のイメージを共有する必要性について言及される方もいました。
 なかなか初めから「商店街の方向性を議論しよう」と言っても、その必要性も含め、イメージが湧きにくく議論しにくいことがよくあります。今回は景観面で工夫することによって商店主の方にも来街者の方にも目に見えるものとして商店街を感じていただきました。「表だけきれいにしても…」と、景観面での取り組みが商店街のにぎわいづくりにはあまり効果的でないと思われている方も多いかもしれませんが、今回の社会実験を通じて景観面での取り組みは、多くの方の気づきを与え、次への取組のきっかけづくりにも活用できるように感じています。今後も今回のような社会実験などを通じて、多くの人を巻き込みながら活性化の取組を続けていければと思っています。